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札幌 雪まつりじゃなくて乗りつぶし(3,4日目)
(2013年2月10日,11日)(3)
〜札沼線(3)〜

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 石狩当別駅 7:45発新十津川行き に乗車し、8:17石狩月形駅 に到着しました。23分も停車しますが、その間に上りの 石狩当別行き が到着し、私が乗ってきた列車とホームに並びました。


JR北海道 札沼線 新十津川行き 石狩当別駅 8:17着 8:40発 (右の列車)

 右の列車が私が乗車している 新十津川行き で、左の列車が上りの 石狩当別行き です。
 石狩当別駅 で乗車したお客さんは私を含めて 7人 でしたが、そのうち、4名 の方が当駅で下車していきました。ですが、乗ってきた方も1人いらしたので、お客さんは差し引き 4人 になりました。


8:44 石狩月形−豊ヶ岡 間

豊ヶ岡駅 8:47発
(この写真は新十津川駅から戻ってくるときに撮影しました)

 ホームから少し離れていますが、あの↑↑小さな建物がこの駅の駅舎なのだそうです。
 なお、当駅から1人乗ってきた方がいらっしゃいました。ホームから、到着するこの列車を撮影していたようです。きっと、鉄道ファン の方なのでしょう。というわけで、現在の乗客は 5人 で、そのうち私を含む 3人鉄道ファン ということになります。


8:50 豊ヶ岡−札比内 間

 決して快晴というわけではありませんが、この季節にしては天気に恵まれたんだろうなあ、と思います。

札比内駅 8:51発

 この駅名も アイヌ語 ですね。Wikipedia によると、「サッ・ピ・ナイ」(乾いた石ころだらけの川) なのだそうです。
 札幌市営地下鉄 南北線 のところ(1,2日目の4ページ)でも書きましたが、なんとか“ナイ”(内) とか なんとか“ベツ”(別) という地名は、もとは アイヌ語 と思ってほぼ間違いないのでしょう。“ナイ”(内)“ベツ”(別) も、厳密に言えば細かい違いはあるのかもしれませんが、基本的には 「川」 を表すようです。このあたりのことは、これも 南北線 のところで少し触れた 山田秀三「アイヌ語地名の研究」(草風館)第一巻 第二部 「北海道のナイとペッ」 に詳しく書いてあります。


8:56 札比内−晩生内 間

この細い川は、晩生内川 というらしいです。(違っていたらすみません)

晩生内駅 8:57発

 晩生内 と書いて 「おそきない」 と読みます。というか、むしろ逆で、もともと 「おそきない」 という音があり、これに 晩生内 という字をあてたわけです。もちろん、アイヌ語 で、Wikipedia によると 「オ・ショキ・ナイ」(川尻が高くなっている川)、もしくは 「オ・ショシケ・ナイ」(川尻が崩れている川) なのだそうです。


9:01 晩生内−札的 間

 写真の真ん中は、本当は 札的内川 という川のようなのですが、 に埋もれてしまっています。

札的駅 9:02発

 駅名は 「内」 が省略されていますが、先ほどの川(1つ上の写真)も、このあたりの地名も 札的内(さってきない) です。やはり アイヌ語 で、これもまた Wikipedia先生 によると、「サッテク・ナイ」(やせる川) なのだそうです。


9:05 札的−浦臼 間

 これは 浦臼内川 というらしいですが、この川も に埋もれてしまっています。もしかすると、もともと水量が少ないのかもしれませんが、仮にそうだったとしても、私の地元の方では、川が雪で埋もれてしまうなんてさすがにないと思います。


浦臼駅 9:06発

 これも 「内」 が省略されていますが、やはり アイヌ語 で、Wikipedia大先生 によると 「ウラシ・ナイ」(笹のある川)、もしくは 「ウライ・ウシ・ナイ」(簗のある川) なのだそうです。もう アイヌ語 ばかりなわけですが、それが 北海道の歴史 そのものと言えるのかもしれませんね。
 1つ前のページでも書きましたが、この駅から先、終点の 新十津川駅 へ行く列車は、1日にたった3本しかありません。今、私が乗っている列車がそのうちの1本であり、かつ、今日の 始発列車 なのです。ずいぶん遅い時間の 始発列車 なわけです。
 なお、ここで2人下車し1人乗ってきました。よって、現在の乗客は差し引き 4人 になりました。と言っても、そのうち私を含む 3人鉄道ファン と思しき人たちです。つまり、まともなお客さんは、この駅から乗ってきた方の1人だけになってしまいました。


9:09 浦臼−鶴沼 間

鶴沼駅 9:11発

 さすがに、この駅名は アイヌ語 は関係ないと思います。


9:12 鶴沼−於札内 間

 進行方向左側には、樺戸山地 の山々が続きます。
 ピンネシリ ってどのあたりなのかなあ、と思うのですがよくわかりません。


於札内駅 9:14発

 於札内 と書いて、「おさつない」 と読みます。やはり アイヌ語 で、Wikipedia大大大先生 によると、「オ・サツ・ナイ」(川尻が乾く川) なのだそうです。
 「おさつない」 と言われると、「お札無い」 と言っているように聞こえてしまいます。私の財布のことでしょうか・・。


9:16 於札内−南下徳富 間

 写真の下の方ですが、動物か何かが歩いたような跡があります。雪に埋もれた路線に乗るとよく見かけるのですが、そのたびに 「キツネか何かなのかなあ?」 と思います。ですが、未だに正体がわかりません。


南下徳富駅 9:17発

 南下徳富「みなみしもとっぷ」 と読みます。Wikipedia には記載がありませんが、これも アイヌ語 で、トク、トック (小山、突起物)徳富 になったらしいです。アイヌ語 の地名に漢字をあてるのがよいのことなのかはわかりませんが、一番最初に当て字を考えた人はなかなか楽しい作業だったのではないでしょうか。


9:18 南下徳富−下徳富 間

下徳富駅 9:21発

 駅名標の上枠に、「学園都市線」 と記載されています。2つ前のページでも書きましたが、札沼線 には 学園都市線 という愛称が付けられています。電化された 北海道医療大学駅 まであたりなら 学園都市線 でもいいかもしれませんが、このあたりで 学園都市線 と言われましても・・。

 次は、終点の 新十津川駅 です。


9:23 下徳富−新十津川 間

 この写真は少し拡大していますが、中央やや右の一番高い山が ピンネシリ で、その左側の山が マチネシリ なのだと思います(違っていたらすみません)。アイヌ語 で、ピンネシリ雄岳マチネシリ雌岳 なんですね。


9:25 下徳富−新十津川 間

 運転室 の前方の窓からはこんな感じです。枕木もバラストも、 に埋もれて真っ白です。
 また、1つ手前の 下徳富駅新十津川駅 の間には、2006年まで 「中徳富」 という駅がありました。しかし、あまりにも利用者が少なかったらしく、廃止 になってしまいました。ここまで通り過ぎてきた他の駅も、利用者はかなり少ないのではないかと思われますが、それらと比べてもさらに利用者が少なかったということなのでしょうか。 「中徳富駅 はどのあたりだったのかな?」 とも思いましたが、私の注意力が足りないのか、それとも駅の跡らしいものなんて何も残っていないのか、いずれにせよよくわかりませんでした。
 そうしているうちに、終点の 新十津川駅 が近づいてきました。まもなく、その 新十津川駅 に到着します。


新十津川駅 9:28着

 13年ぶりに 新十津川駅 にやってきました。
 新十津川駅 に到着すると、元気よく、かつ、可愛らしい声で、

 「おはようございま〜す」
 「おはようございま〜す」
 「おはようございま〜す」

 と出迎えてくれた人たちがいます。幼稚園か小学生ぐらいの子が3人と、もう1人、その引率なのかちょっとわかりませんが若い女性の方です。子供たちは、到着した列車に向かってあいさつをすると、ホームと駅舎の間の傾斜をソリで滑って遊び始めました。話をしたわけではありませんので、どういう子たちなのか、毎日のようにこの駅に遊びに来ているのか、それとも今日はたまたまだったのかもわかりません。まさか、こんなローカルな駅で出迎えをうけるなんて思ってもいませんでしたので驚いてしまいましたが、でもちょっと嬉しかったです。


新十津川駅 構内

 ホームの少し先で、線路が行き止まりになっています。
 札沼線 は、かつてこの先、留萌本線石狩沼田駅 まで続いていました。札沼線「沼」 は、この 石狩沼田駅 から1文字とったものだったのです。ですが、1972年に 新十津川−石狩沼田 間廃止 になり、現在の形になりました。


新十津川駅 駅名標

新十津川駅 駅舎

 この駅を訪れたのは13年ぶりなわけですが、その13年前は、函館本線滝川駅 から歩いてここまでやってきました。今と同じ季節だったのですが、もう暗くなってからだったこともあり、途中で少々怖くなったのを覚えています。途中のコンビニでお弁当を買い、もちろん温めてもらっていましたが、この駅までやってきて列車の中で食べようとしたときにはもう冷たくなっていました。当時と同じこの駅舎を前にして、そんな昔のことを思い出しました。


新十津川駅前の道路

 到着してからわずか13分後、折り返しの 9:41発 石狩当別行き に乗車し、新十津川駅 をあとにしました。
 さきほど列車の到着を出迎えてくれた子供たちが、

 「いってらっしゃ〜い」
 「いってらっしゃ〜い」
 「いってらっしゃ〜い」

 と列車に向かって手を振るので、私も手を振り返しました。


整理券


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